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札幌のデパート/百貨店特集!合格点の理由と他都市比較ほか/北海道移住の現実

デパート(百貨店)は、いろんな地方に行く度に、東京・横浜との差を感じてしまい、地方暮らしに積極的になれない1つの要因である。特に毎日デパートに用事がある訳ではないが、大人になってもデパートに行くと気分が高まるものである。

スーパーやコンビニ・ドラッグストアなら、全国チェーン店も多く、東京と地方の差はほぼ無く、あったとしてもあまり気にならない。しかしデパートの場合は、三越とか東急など同じ名前であっても、地方のデパートはこじんまりとしていたり、古めかしさを感じさせたりする。

もう少しで200万人に到達する地方の大都市・札幌ではどうか?東京や人口の近い名古屋・福岡などとの比較も交え特集した。まずは、札幌の大丸・三越・丸井今井・東急4つの百貨店の特徴から。

札幌のデパート(百貨店)

❶ハシゴ買いできるメリット

札幌市の商業の中心は、この10年くらいで、大通付近から札幌駅付近へと遷移しているとは言え、札幌の賑わいは札幌駅~大通~すすきの約1.9kmの範囲に集中している。

デパートは、札幌駅に「大丸札幌店」、札幌駅すぐ近くに「さっぽろ東急」、大通駅すぐ近くに「札幌三越」と「丸井今井札幌本店」の合計4つある。どれも、地下街で繋がっているため、デパートをハシゴするのが苦にならない。

例えばバーゲンセールなどの期間、三越に行ったらサイズ切れになっていた時など、丸井今井へ行けば残っているかもしれず、丸井今井も駄目なら東急や大丸に行ってみるという動きが取りやすい。

4つのデパートを簡単に動き回る行為は、恐らく東京では新宿・有楽町・銀座あたりでも難しいであろう(大阪駅・梅田駅付近なら可能であろうか)。距離的なことだけでなく、一本道を信号に停められることも無く移動できるのでストレスが少ない。

❷売り場面積・売上高

(売上高は、以下全て2016年度)

1.大丸札幌店:売上高622億円、売場面積45,000㎡
北海道札幌市のJR札幌駅にある大丸札幌店の写真

2.丸井今井札幌本店:売上高370億円、売場面積44,972㎡
北海道札幌市の大通公園にあるデパート丸井今井本店の写真

3.札幌三越:売上高263億円、売場面積22,998㎡
北海道札幌市の大通付近にある札幌三越の写真

4.東急札幌店:売上高234億円、売場面積28,629㎡
北海道札幌市のJR札幌駅付近にあるデパートさっぽろ東急百貨店の写真

札幌駅と大通駅に2店舗ずつあり、売場面積も同程度ではあるが、売上高としては札幌駅の方が35%ほど上回っている。

札幌商業の一番エリアは、今では完全に札幌駅付近となっていて、エリアとしての集客力の差が出ている(それでも、東急の売上が低いのは、ブランド力+付近とは言ってもメインの流れからは外れている立地だから)。

他都市との比較

札幌各デパートの売上高と売場面積の数字だけ見てもピンと来ないので、札幌の百貨店と他都市の百貨店を比較することで、札幌のデパートの規模感をイメージしてほしい。

❶東京と比較

東京新宿の伊勢丹新宿店の写真
伊勢丹新宿本店:2,685億円、70,325㎡
西武池袋本店:1,865億円、91,555㎡
三越日本橋本店:1,651億円、62,580㎡
高島屋日本橋店:1,329億円、49,234㎡

さすがに東京と札幌の差は大きい。トップの伊勢丹新宿本店1店舗だけで2,685億円と、札幌4店舗分の2倍近い売上がある。札幌4店舗は、売場面積合計で伊勢丹新宿本店の約2倍もあるが、売上高は約55%にしかならない。

ちなみに横浜
高島屋横浜店:1,294億円、56,548㎡
そごう横浜店:1,096億円、83,654㎡
とも大きな差がある。

❷名古屋・福岡との比較

東京との比較は、スケールが違い過ぎる。そこで、人口第4位の札幌(195万人)なので、人口第3位の名古屋(229万人)及び人口第5位の福岡(153万人)とも比較した。

●名古屋市・上位4店舗
名古屋駅の写真
➀JR名古屋高島屋:1,286億円、61,069㎡
②松坂屋名古屋店:1,206億円、86,758㎡
③名古屋栄三越:737億円、78,484㎡
④名鉄本店:454億円、55,000㎡

●福岡市・上位4店舗>
博多駅の写真
➀岩田屋本店:735億円、50,628㎡
②大丸福岡天神店:539億円、44,192㎡
③博多阪急:444億円、41,835㎡
④福岡三越:320億円、38,031㎡

●各都市の4店舗を合計
札幌市 :1,489億円、141,599㎡
名古屋市:3,683億円、281,311㎡
福岡市 :2,038億円、174,686㎡

札幌は人口に比べて、デパートの売上高・売場面積の両方とも、少ないことが分かる。過去いくつかのデパート廃業があり現状に至っているが、なぜ札幌は人口の割にデパート需要が低いのか?

その理由の1つは、所得の違いにありそうだ。

>以下各都市年収データ出典元:年収ガイド

各都市の平均年収は、名古屋市393万円・福岡市345万円に対し、札幌市は309万円と極端に低い。

札幌の平均所得(年収)は、名古屋より21%も低く、福岡よりも10%低い。となると、必然的に買い物方法にも差が出てくるのであろう。所得が低い=単価が低くなる=デパートでの買い物需要は少ない。

恐らくショッピングセンター系での買い物比率が高いのかもしれない。札幌のショッピングセンターについては、別途調べてみたい。

ちなみに、東京の所得は区によって大きく異なり、港区1115万円・千代田区944万円・渋谷区801万円に対し、同じ23区でも、葛飾区343万円・足立区338万円と、名古屋市より低く、福岡市と同程度となる。

東京にも札幌市と年収が同程度の地域もある。青梅市313万円、武蔵村山市312万円、福生市308万円。

もう少しちなみに、東京23区を除けば人口第1位の372万人でオシャレな街・横浜は403万円、第2位の269万人で関西一の都市・大阪市は331万円。

各方面の中心的都市で移住先候補にもなりえる都市では、仙台市340万円、静岡市326万円、金沢市326万円、広島市342万円、那覇市311万円。やはり、札幌が一番低い。

札幌の年収は、人口の多い大都市の割にとても低い。

❸他都市の同規模店舗(例)

東京・名古屋・福岡に比べ、デパート(百貨店)の規模(売上・面積)が小さいことが分かったが、個人個人が買い物をする上で、何も最大限に大きな規模が必要な訳ではない。

札幌のデパートがどの程度の規模なのか?納得できる規模なのか?もう少しイメージし易いように、札幌のデパートと同じ規模の他都市デパートを並べてみた。

●売場面積
<札幌>大丸札幌店45,000㎡、丸井今井札幌本店44,972㎡
<他都市>高島屋日本橋店49,234㎡、大丸東京店46,000㎡、京王新宿本店44,193㎡、西武渋谷店43,236㎡、大丸心斎橋店46,490㎡、岩田屋本店50,628㎡

●売上高
<大丸札幌店>622億円
<他都市同規模>大丸京都店673億、大丸梅田店637億円、そごう千葉店  614億円、トキハ本店605億円

<丸井今井札幌本店>370億円
<他都市同規模>京急百貨店387億円、東武船橋店386億円、小田急町田店362億円、伊勢丹立川店357億円

<札幌三越>263億円
<他都市同規模>東急吉祥寺店273億円、東武宇都宮店263億円、新宿マルイ260億円、西宮阪急252億円

<東急札幌店>234億円
<他都市同規模>近鉄奈良店247億円、近鉄上本町238億円、高松三越230億円、有楽町マルイ223億円

❹「大丸」同士で比較

大丸神戸店の写真
同じ百貨店同士でも、他都市と比較した。

札幌店:45,000㎡、622億円
東京店:46,000㎡、748億円
京都店:50,830㎡、673億円
梅田店:64,000㎡、637億円
心斎橋店:46,490㎡、739億円
神戸店:50,656㎡、824億円
福岡天神店:44,192㎡、539億円

店舗面積では、梅田店以外はほぼ同規模と言ってよい。

売上高では、神戸・心斎橋・東京とは差があるものの、京都・梅田などとは同程度で、福岡より多いなど、大丸の平均的レベルと言える。但し、札幌の一等地JR札幌駅にありながら平均レベルということは、やはり札幌のデパート需要は低いということである。

❺「三越」同士で比較

日本橋三越本店の写真
札幌:22,998㎡、263億円
仙台:33,820㎡、336億円
日本橋:62,580㎡、1,651億円
銀座:36,556㎡、810億円
新潟:20,596㎡、137億円
名古屋栄78,484㎡、737億円
星ケ丘:21,798㎡、190億円
広島:15,851㎡、155億円
高松:26,948㎡、230億円
松山:21,420㎡、141億円
福岡:38,031㎡、320億円

売場面積において、札幌店が福岡・仙台・高松よりも小さいというのは、札幌店として小さすぎるかもしれない。

また、売上高においては、日本橋本店と銀座店の別格東京2店を除けば、店舗面積当たりの販売額はトップ(地方で)。やはり、もう少し売場面積を拡張しても良いくらいの売上高である。

❻ブランドイメージで他都市と比較

よく、デパート・百貨店のブランド力についての書き込みをネット上で見かけるが、大よその見解は、高島屋・三越≧伊勢丹>大丸>松坂屋>鉄道系といったところで、関西圏のみ阪急がトップといった感じであるが、調査データもあったので参考にしたい。

>出典元【百貨店のブランドイメージ】に関するアンケート調査(第4回)
httpss://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/22409/index.html

上記調査の質問内容は、①信頼性・安心感、②品質、③独自性、④接客、⑤親近感、⑥今後利用意向の6項目。

調査結果を全国的に見ると、独自性で伊勢丹が強く、親近感で大丸・そごうが上位に入った以外は、大筋で高島屋・三越・伊勢丹が上位を占めているといった感じ。

しかし、地域ごとで見てみると、北海道は大丸、東北は三越、中部は高島屋、北陸は伊勢丹、近畿は阪急、九州は三越と、1社への支持集中が強く出ている。

関東では伊勢丹&高島屋、中国は三越優勢+伊勢丹・そごう、四国は三越優勢+伊勢丹・高島屋と、少しばらけた感じ。

札幌では、大丸が圧倒的に強い支持を得られている。JR札幌駅直結という立地と、三越より店舗面積が2倍もあるのだからから、当然とも言えるが。

ちなみに、北陸では伊勢丹が1点支持されているが、北陸に伊勢丹はない。京都の伊勢丹にお買物に出かける人が多いのであろう。東京へのお買物であれば、伊勢丹だけに集中はしないはずである。

過去(歴史)から現状への流れ

所得の低さから、札幌市は他の都市に比べデパート・百貨店という業態自体の重要度が低いのではないかといった主旨も記していながら、大丸や三越の店舗そのものは、他の都市に比べそれほど遜色ないといった感じもあった。

そこで、もう少し広げてみるべく、過去の経緯について調べた。

❶過去に閉店した店舗

<1>札幌西武百貨店:1906年に札幌興農園百貨店として開業した後、1997年に札幌西武へ改称したが、2009年に閉店し、その後継はない(未だ一部を除いて空き地状態)。

<2>ロビンソン百貨店:1974年に札幌松坂屋として開業した後、1994年にロビンソンへ改称したが、2009年に閉店し、現在では複合ショッピングセンター「ラフィラ」(地下にイトーヨーカドー)となっている。

・札幌そごう:1978年に開業した後、2000年に閉店し、現在では札幌エスタ(地下にエスタ大食品街、1~4階にビックカメラ)となっていて、JRタワーの一角(ショッピングビル)として賑わっている。

・ステーションデパート:1952年に開業後、1999年に閉店し、現在ではアピア(APIA)となっていて、JRタワーの一角(ショッピングセンター)として賑わっている。

・サンデパート:1962年に開業後、1983年に閉店し、つい最近までドン・キホーテ札幌店として賑わっていた。この場所が大型再開発工事に入るため、ドン・キホーテはすぐ近くのビルに引越しして、現在も営業中である。

過去にあった、松坂屋・西武・そごうなどの百貨店ブランドは消えてしまい、現在ではほとんどが価格を重視するショッピングセンター的な感じで生き残っている。

やはり、札幌には百貨店よりショッピングセンターの方が需要が高いのだと思われるが、札幌に限らず、全国的な流れであろうか?

同じJR札幌駅の立地で、札幌そごうとステーションデパートは閉店してしまったが、大丸札幌店は現在かなり賑わっている。大丸も開業当初から札幌の一番店であった訳ではなく、商業の中心が大通から札幌駅へ移行するとともに売上げを伸ばしている。

これ以上は、流通業の専門ではなく、札幌市に長居している訳でもないので、分析はしないが、過去を調べたついでに、最近の状況も記しておきたい。

❷2000年以降の流れ

2000年以降の札幌デパート業界を取り巻く環境について、先ほどと被る所があるが、以下の通りである。

札幌の中心地は、2000年前半までは、大通を境として南側が商業エリア・北側は行政エリアといった感じで、南側・商業エリアにおいて、丸井今井本店や札幌三越は中心的な存在であった。

2003年に、JR札幌駅再開発によってJRタワー・ステラプレイス(大丸+ファッションを中心としたショッピングモール)がオープンして以降、人の流れが大通から札幌駅に少しずつ遷移していった。

大丸札幌店も、オープン当初から6年間は丸井今井本店より売上高が低かったのだが、2009年に逆転し、今では大差をつけた圧倒的ナンバーワンとなった。

❸丸井今井本店の縮小

丸井今井本店は、2位に転落した後も低迷が続き、2011年に札幌三越と合併し、株式会社札幌丸井三越が丸井今井本館と札幌三越の両方を経営している。

2017年には、三越伊勢丹グループが全体的に効率化を図る方針を打ち出し、新潟・静岡の店舗と共にその対象となった丸井今井本店と札幌三越は、売場面積の縮小及び百貨店としての閉店や業態転換などを検討していると発表された。

そして今年の10月、丸井今井本店の4館あるうちの南館が営業終了となる。2018年10月末で満了となる建物賃貸契約を更新しないという形。同じ南館に入っているジュンク堂書店などは継続される。

❹さっぽろ東急百貨店に東急ハンズが移転

北海道札幌市の札幌東急百貨店に移転した東急ハンズの写真
2018年4月26日に東急ハンズ札幌店がさっぽろ東急百貨店の8階と9階一部に移転した。ハンズは、大通の市電の通りにあったが、パッとしない感じで客数も少なかった感じであった。

以前は狭いフロアで何階にも分かれていたが、移転した現在は、1つの広いフロアに展開されたことと、新たになったきれいさとで、なかなか明るく良い感じに変わった。客数も以前より増えた感じである。

❺2017年度・札幌デパートの営業成績

2017年度は、インバウンド効果もあり、大丸札幌店が4.7%増、札幌丸井三越全体で3.4%増と好調であった。

さっぽろ東急も、2017年は改装工事による一時期一部フロア閉鎖により0.8%増に留まったが、2018年は東急ハンズ移転効果などで好調に推移される見込みだそうだ。

日本全国の百貨店の現状は、既存店ベースで前年を0.1%上回り、3年ぶりにプラスに転じたとのことだが、インバウンド効果を得られた都市だけ浮上しているだけのようである。

札幌のデパート業界は、大阪・福岡とともに、インバウンド効果に助けられて浮上したに過ぎない可能性が高い。

最後に/札幌移住なら失敗後悔の確率は低い

現代の趨勢である以上にデパート(百貨店)業態があまり馴染まない札幌ですが、大丸と三越だけでもデパート(百貨店)での買い物として十分に機能しています。

都心性と地方感、良く取るか悪く取るかは人それぞれですが、大丸と三越には都心性があり、丸井今井と東急には地方感があります。必要に応じて使い分けられるのも、札幌のメリットかもしれません。新宿の伊勢丹ばかりでは疲れてしまいますよね?

北海道内でこれだけデパートが揃っているのは札幌だけです。

【出典・参照元】
日経流通新聞(日経MJ)掲載の全国百貨店売上ランキング
最新版!2016年 全国百貨店 店舗別 売場面積ランキング!
https://motokadenchan.seesaa.net/article/447026569.html
【 百貨店のブランドイメージ 】に関するアンケート調査(第4回)
httpss://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/22409/index.html
年収ガイド  httpss://www.nenshuu.net/

 

 

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